HELP SUITは、米国「The Bridge World」誌ウェブサイト語彙集では、
a suit in which high cards in partner's hand will be valuable.
と定義されています。
HELP-SUIT GAME TRYの関連項目には WEAK-SUIT GAME TRY
や TRIAL BIDなどがあります。米国ブリッジ連盟刊行「ブリッジ百科事典」
(The Official Encyclopedia of Bridge)第7版では、説明内容が微妙に
異なります。項目によって執筆担当者が違うためです。このことは米国
「The Bridge World」誌2012年5月号の「書評」でも指摘されています。
私自身はブリッジ用語を調べるときには、
米国 The Bridge World誌ウェブサイトのBridge Glossary を使います。
そう言えば先に「
リバース?」の記事で、仏国ではネガティブダブルのこと
を SPUTNIK DOUBLE と言っていたと書きました。
伊国では、
The”Standard BBO Italia”System によると、SPUTNIKと
いう言葉は多用されているようです。
JCBLハンドブック「ブリッジ用語集」を今年度(2012)に全面改訂しました。
ステイマンコンベンションを発案したのはサミュエル・ステイマンだとか、
間違いだらけで9割は手を加えたでしょうか。死語や間違った用語を削り、
新しい用語を加えると450語弱になりました。これだけでも400時間以上。
関係委員と職員の検討校正でさらに100時間位はかかったでしょうか。
合計500時間以上を要しました。
例えばドゥルーリー(DRURY)にしても、もともとは「サポートを否定して、
オープナーはミニマムは2
をリビッド」するコンベンションでした。
それがサポートを保証すると DRURY FIT。オープナーはミニマムは
オープニングスーツをリビッドすると REVERSED DRURYになります。
現代風に「サポートを保証して、オープナーはミニマムはオープニング
スーツをリビッド」は REVERSED DRURY FIT。
これを今では単に DRURY、または DRURY FITと呼んでいます。
時代によって変わると。
今年(2012)の本屋大賞「舟を編む」(三浦しをん著)は辞書の編纂に
まつわる小説です。読んでみたら、ブリッジ用語集が500時間で済んだ
のは少なかったように思われました。「言葉の海を照らす灯台の明かり、
言葉という大海原を航海するための船」という書評があって。
「世間の闇を照らす明燈にして、生死の海を渡す船筏なり」ですね。