横浜ブリッジセンター主催、リジョナルチーム戦。
今年(2012)は32チーム。
予選リーグは8チーム毎の4グループで総当たりVP戦。
1日目は16ボード×4ラウンド、2日目は16ボード×3ラウンド。
各グループの上位2チームが予選通過。
決勝トーナメントは8チームで IMP採点によるノックアウト戦。
2日目の夕方から準々決勝(24ボード)、3日目にスクリーンを使用して
準決勝(28ボード)と決勝(28ボード)。
予選不通過のチームは、3日目はセクショナル・スイス戦に参加します。
以下のようなディールがありました。
準決勝 8番ボード(90度回転)(ディーラーS、ノンバル)
![](s.png)
![](s.png)
![](s.png)
W | N | E | S | |
| | | 1NT | P | 2![](c19.png) | P | 2![](d19.png) | P | 2 * | P | 2NT | P | 3NT | P | AllPass | | | |
|
Southは14点ですが、15〜17点の
1NTでオープン。規則違反ではありま
せん。[このことについては後述。*1]
2
![](c17.png)
ステイマン、2
![](d17.png)
ノーメジャー。
2
![](s17.png)
は4枚
![](s17.png)
と5枚
![](h17.png)
。
2NTはミスフィット、ミニマム。
![](s.png)
![](c17.png)
リードにAをホールドし続けます。右手は
![](c17.png)
Kを出し、
![](c17.png)
2をリターン。
![](c17.png)
の分かれは4-4に見えます。左手は
![](c17.png)
を勝って、ここで
![](h17.png)
にシフト。
う〜ん、不思議。 [このことについても後述。*2]
![](h17.png)
は手元で勝ち、
![](d17.png)
10を流しました。これが
![](d17.png)
Qに負けて、
![](c17.png)
が来たとき
には、
![](d17.png)
3-3を期待。
![](d17.png)
10が勝ったときには、話は込み入って来ますが
コントラクトはほぼメイクです。全体の配置は以下の通り。
![](s.png)
![](h17.png)
を全部走って、手元から
![](d17.png)
76と
![](s17.png)
5を捨てます。右手の4枚
![](h17.png)
、
左手の2枚
![](h17.png)
が確定。ここまで7勝。手元に
![](c17.png)
Aと
![](d17.png)
Aがあります。
![](d17.png)
Kを取って、ダミーから
![](s17.png)
2を引きます。
![](s17.png)
3-3のときにはディフェンスは
![](s17.png)
QとAしか取るものが無い。
右手が
![](s17.png)
Qか
![](s17.png)
Aを取ったら、スローイン(throw-in)になります。
右手がスモール
![](s17.png)
で、手元の
![](s17.png)
10を左手が
![](s17.png)
Qを取って、
![](s17.png)
が来たら:
(ダミー)
KJ62
Q4 A973
108(5)
のような配置のときには
![](s17.png)
で3トリックを失います。従って
![](s17.png)
2では
なく、
![](s17.png)
Kを引く必要があります。
ところが実際のディールでは右手は
![](c17.png)
(推定)4枚、
![](h17.png)
(確定)4枚。
右手の
![](s17.png)
が4枚のときには4=4=1=4の形になり、左手が
![](d17.png)
Qの5枚
になるので、
![](c17.png)
Qの4枚よりは
![](d17.png)
をリードしそうです。
![](s17.png)
で3トリックは
負けないということです。同様に左手が
![](d17.png)
Qの2〜3枚のときにも、
左手 3=4=2=4、2=4=3=4、4=2=3=4などの形に対応可能です。
プレーに10分位かかったでしょうか。本人が「10分」と感じるとき、
客観的には5割増し。実際は15分位かかったのでしょう。
反対テーブルでは1
![](d17.png)
オープンから始まって3NTになり、ディフェンスは
![](c17.png)
を攻め続けた。ディクレアラーは
![](c17.png)
Aを3巡目に取り、
![](h17.png)
を全部走って
から、
![](d17.png)
Kを取り、
![](d17.png)
をフィネスしたので1ダウン。左手は
![](h17.png)
のときに
![](s17.png)
1枚と
![](d17.png)
2枚を捨てて、
![](d17.png)
Qをダブルトンにしたんでしょう。きっと。
*1
オーバービッドやアンダービッドをすることは個人の判断の自由です。
但しパートナー間の約束と経験は対戦相手に公開する義務があります。
実際のハンドでSouth自らは15点の価値を見出していますが、
本当にその強さがあるかどうかは疑問です。良い5枚
![](d17.png)
はあるものの、
![](h17.png)
KQダブルトンはいただけません。ハンドに惚れ込んでいるとか、
ヤケとか、ここで一発とか、動機は様々でしょう。
10年位前に米国のナショナルペア戦でこのようなことがありました。
パートナーが1NTオープン、対戦相手が”Range?”と質問。
”Fifteen-seventeen”, ”Often fourteen”と答えたところ、
”You don’t have to say that,we all do it”と言われました。
どっぶりした、しゃがれ声の黒人おばちゃん。
米国の法廷物テレビドラマの検事や判事でよく見るタイプ。
偉そうに言うもんだな、と思ってたら。
後にACBL NATIONAL APPEAL COMMITTEEの委員長と知って。
上告委員会の元締め、名物おばちゃんのようです。
「ホー」 「テレビと同じじゃん」
「まるで判事みたい」と思ったのは的外れでもありませんでした。
![](s.png)
とはいえ、彼女の言葉を鵜呑みにしてはいけません。
パートナーとの約束事と、経験から判っている事は対戦相手に説明
するべきです。相手によって言葉を選べ、ということでしょう。
*2
左手からは以下のように見えています。
![](s.png)
![](s.png)
![](s.png)
EAST
![](c17.png)
Kを取って、
![](c17.png)
2を返す。
![](s.png)
左手は10点。ダミーは12点。パートナーは
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Kの3点を出しました。
ディクレアラーが15〜17の1NTオープンで、メジャーがミスフィットなら、
![](s17.png)
xxx
![](h17.png)
KQ
![](d17.png)
AJx
![](c17.png)
AJ765
このハンドに限定されます。ディクレアラーのウィナーは8個で、左手が
3巡目の
![](c17.png)
をリードすると9個目と10個目になります。さらに
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と
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を
走られると、
![](s17.png)
と
![](d17.png)
でスクイズされます。そこでいったんは
![](h17.png)
を出して
ウエイティングするディフェンスになります。
ディクレアラーが、左手がこのように考えて
![](c17.png)
から
![](h17.png)
に切り替わったと
察知できたなら、手元から
![](s17.png)
をリードして簡単に3NTをつくれたでしょう。
裏の「裏」ですね。
それにしてもこの時期、
3月第3週末 春季リジョナル(チーム戦)
3月第4週末 渡辺杯(リジョナルペア戦)
4月第1週末 柳谷杯(リジョナルチーム戦)
4月第2週末 日本リーグ(ナショナルチーム戦)
クラブリーグ(リジョナル/セクショナルチーム戦)
4月第3週末 玉川高島屋SC杯(ウィメンズナショナルチーム戦)
4月第4週末 サントリー杯(リジョナルペア戦)
5月第1週末 横浜インビテーショナル(リジョナルチーム戦)
5月第2週末 文部科学大臣杯関東予選(ナショナルチーム戦)
5月第3週末 文部科学大臣杯関東予選(ナショナルチーム戦)
5月第4週末 井上杯(リジョナルペア戦)
よくこれだけ続くものです。